業務用エアコンは、設置したら終わりではなく、使い続ける中でメンテナンスが必要になります。特にドレン(排水)の詰まりは、放置すると水漏れにつながる、よくあるトラブルです。
実は、こうしたメンテナンスのしやすさは、設置や施工の段階で、ある程度決まってしまいます。この記事では、業務用エアコンの施工を15年手がけてきた立場から、メンテナンス性を上げる工夫——特に「ドレンの掃除口」について解説します。ちょっとした工夫で、後々の手間が大きく変わることを、知っておいていただければと思います。
ドレンの掃除口とは
ドレンの掃除口とは、排水を流すドレン管の途中に取り付ける、点検・清掃用の開口部です。フタが付いていて、普段は閉じておき、詰まったときにフタを開けて掃除します。
掃除の方法はシンプルです。掃除口を開けて、バキュームや掃除機で詰まりを吸い出したり、逆に空気を吹き込んだりして、詰まりを取り除きます。ドレン管の中に溜まったヘドロやゴミを、この口から除去できるのです。
掃除口がないと、どうなるか
では、掃除口がないと、詰まったときにどうなるか。
掃除口がなければ、詰まりを取り除くために、ドレン管を室内機から一回一回取り外して、掃除しなければなりません。これは、手間も時間もかかる作業です。そして、この取り外しは、基本的に専門業者でなければ難しい。つまり、詰まるたびに業者を呼ぶことになります。
一方、掃除口があれば、その取り外しが不要になります。フタを開けて吸い出すだけ。この差は、とても大きいのです。
どんな現場に、掃除口をつけるか
私が掃除口をつけるのは、主にドレンが詰まりやすい現場です。
特に、ドレン管の勾配(傾き)が十分に取れず、今さら直すのも難しいような現場。勾配が緩いと排水がスムーズに流れず、汚れが溜まって詰まりやすくなります。そういう、構造上どうしても詰まりやすい現場に、掃除口をつけておくと、後々のメンテナンスがぐっと楽になります。
飲食店のように油やホコリで汚れやすい環境も、掃除口が活きる現場です。
掃除口の一番のメリット——自分でメンテナンスできる
掃除口の最大のメリットは、実はお客様ご自身でも、ある程度のメンテナンスができるようになることだと思っています。
掃除口があれば、フタを開けて掃除機で吸い出す、といった対応が、専門的な工具がなくてもできます。つまり、詰まりを感じるたびに、わざわざ空調業者に電話をして、日程を決めて、来てもらう——という手間が減るのです。
もちろん、本格的な内部洗浄や、手に負えない詰まりはプロに任せるべきですが、軽い詰まりなら自分で対処できる。これは、店舗やオフィスを運営する側にとって、地味ですが大きな利点です。業者の都合を待たずに、すぐ対処できるのですから。
掃除口の一番のメリットは、お客様ご自身でも、やろうと思えばメンテナンスできるようになることだと思っています。掃除口があれば、フタを開けて掃除機で吸い出す、といった対応が、専門的な工具がなくてもできます。
そうすると、詰まりを感じるたびに、わざわざ空調業者に電話をして、日程を決めて、来てもらう——という手間が減ります。業者の都合を待たずに、その場で対処できる。店舗やオフィスを運営する側にとって、これは地味ですが大きな利点だと思います。もちろん、手に負えない詰まりや本格的な洗浄はプロに任せるべきですが、軽い詰まりなら自分でどうにかできる、という安心感があります。
費用について
掃除口の取り付けに、費用はかかるのか。正直にお伝えします。
後から取り付ける場合は、多少なりとも費用がかかります。ただ、新築などで、配管を一から通すような場合には、私の会社では、掃除口の取り付けを別料金としていただいてはいません。最初から配管を計画するときに、あわせて掃除口も組み込む、という形です。
つまり、これから設置する現場であれば、大きな追加費用なく、メンテナンス性を高められる可能性があります。設置を計画する段階で、「掃除口をつけられますか」と相談してみる価値は十分にあります。
掃除口以外の、メンテナンス性を上げる工夫
メンテナンス性を上げる工夫は、掃除口だけではありません。設置の段階でできることが、いくつかあります。
フィルター清掃をしやすくする(昇降式パネルなど)
工場のように天井が高い現場では、フィルターの清掃がしやすいよう、パネルが電動で降りてくる昇降式のタイプを選ぶこともあります。高い場所のフィルターも、脚立や高所作業なしで手入れできます。
点検・清掃のためのスペースを残す
室内機も室外機も、設置のときに周りに点検・整備のためのスペース(サービススペース)を残しておくことが大切です。ぎゅうぎゅうに詰めて設置すると、いざメンテナンスというときに手が入りません。また、天井裏にフィルターがあるタイプの室内機では、そのフィルターを取り出せるスペースがあるかも、確認します。
これらはすべて、「設置できるか」だけでなく「設置した後、手入れができるか」まで考えた施工です。長く使ってもらうための、施工者としての配慮です。
ドレンの詰まりや水漏れの詳しい原因は業務用エアコンの水漏れ(ドレントラブル)の原因と対処法、日頃のメンテナンスは業務用エアコンのメンテナンスと点検義務、メンテナンスしやすい設置場所の考え方は業務用エアコン 室内機の取り付け位置の選び方で解説しています。
まとめ
業務用エアコンのメンテナンス性を上げる工夫について、要点を整理します。
- ドレンの掃除口をつければ、フタを開けて吸い出すだけで詰まりを掃除できる
- 掃除口がないと、詰まるたびにドレン管を取り外す必要があり、業者を呼ぶことに
- 詰まりやすい現場、勾配が取りにくい現場に特に有効
- お客様自身でもメンテナンスでき、業者を呼ぶ回数を減らせる
- 新築など配管を一から通す場合は、追加費用なくつけられることも(会社による)
- 昇降式パネル、サービススペースの確保など、他にも工夫はある
メンテナンス性は、設置の段階で大きく決まります。そして、それは長く使ううえでの手間とコストに、直接ひびいてきます。これから設置・入れ替えを考えるなら、「後々の掃除やメンテナンスがしやすいように」という視点も、ぜひ業者に相談してみてください。目先の設置だけでなく、その先の使いやすさまで考えてくれる業者は、信頼できると思います。
掃除口をつけられるか、メンテナンスしやすい設置ができるかは、業者によって対応が変わります。設置や入れ替えを考えるなら、複数の業者に相談して、後々のメンテナンス性まで考えた提案をしてくれるか、比較してみてください。
最大8社から一括お見積り【業務用エアコン】
