「エアコン取り付けや空調設備の仕事で独立したい」——そう考えている方は少なくないと思います。技術を身につければ、比較的少ない元手で独立でき、繁忙期にはまとまった収入も見込める。そんな魅力がある一方で、独立の現実はどうなのか、気になるところだと思います。
この記事を書いている私は、業務用エアコンの施工を15年手がけてきた施工者です。私自身は会社に勤めていますが、周りには独立した仲間が何人もいて、その姿を近くで見てきました。この記事では、独立した知り合いたちのリアルな様子から、独立に必要なもの、仕事の取り方、そして成功する人の共通点を、業界の中にいる立場から正直にお伝えします。ネット上の「独立すれば年収1000万」といった話とは、少し違う現実もお話しします。
独立に必要な資格と手続き
まず、制度面の基本を押さえておきます。
エアコンの取り付け作業そのものに資格は不要ですが、実務では電気工事が必ず発生するため、第二種電気工事士は実質必須です。業務用を扱うなら冷媒フロン類取扱技術者も必要になります。このあたりの資格の詳細は、別の記事で解説しています。
独立を目指すなら、まずは必要な資格を揃えることが第一歩です。特に第二種電気工事士は学科と実技があるので、要点をしぼった教材で効率よく学ぶと、働きながらでも取得を目指しやすくなります。
すべての人に最高の教材を【eラーニング現場系・国家資格】また、個人事業主として電気工事を伴う仕事を請け負うには、電気工事業の登録(届出)が必要になる点も知っておきましょう。開業届の提出とあわせて、事業として始める際の手続きになります。
エアコン工事に必要な資格の詳しい内容は、エアコン取り付けに必要な資格とは|現役施工者が実務目線で解説で詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
独立に必要なもの・初期費用の目安
次に、実際に独立するとき何が必要かです。知り合いの独立者たちを見ていると、最初に揃えるのは、大きく次の3つです。
- 工具:真空ポンプ、フレアツール、各種測定器など、施工に必要な道具一式
- 材料:配管、化粧カバー、架台、コンセントやブレーカー類など
- 車:工具・材料・エアコン本体を積むための車(ハイエースなどの商用バンが定番)
初期費用については、知り合いから「200万円くらいで始めた」という話を聞いたことがあります。あくまで一例で、どこまで揃えるか、車を新車にするか中古にするかなどで変わりますが、一つの目安にはなると思います。会社勤めのときに会社から借りていた工具は、独立すると自分で揃える必要があるので、この工具代がまとまった出費になります。
一番の課題は「仕事の取り方」
独立で一番の課題は、技術よりも「どうやって仕事を確保するか」です。どれだけ腕が良くても、仕事がなければ収入になりません。知り合いの独立者たちを見ていると、仕事の取り方にはいくつかのパターンがあります。
知り合い・仲間からの紹介で回している人
一番多いのがこのパターンです。知り合いの電気屋さんから仕事を紹介してもらったり、同業の仲間内で仕事を回し合ったりして、案件を確保しています。独立前からの人間関係が、そのまま仕事につながっているケースです。
地道に営業している人
一方で、コツコツ自分で営業して仕事を取っている人もいます。工務店やリフォーム会社、不動産会社などに営業をかけて、取引先を増やしていくスタイルです。
そして、仕事が途切れそうなときは、「何か仕事ありませんか」と知り合いに声をかけて回る——これが独立者のリアルな姿です。会社員のように、黙っていても仕事が割り振られるわけではありません。自分で仕事を取りにいく姿勢が、独立では欠かせないのです。
実際に知り合いの独立者たちを見ていると、仕事の取り方は本当に人それぞれです。地道に自分で営業して取引先を開拓している人もいれば、知り合いの電気屋さんから仕事を紹介してもらっている人、同業の仲間内で仕事を融通し合っている人もいます。共通しているのは、どのパターンも人とのつながりが土台になっていることです。そして、手が空きそうなときには「何か仕事ありませんか」と知り合いに声をかけて回る。これが独立者の日常的な姿です。会社員のように待っていれば仕事が来る、というわけにはいかないのが現実です。
成功している人の共通点
ここが、私が近くで見てきて最も強く感じることです。独立してうまくやっている人には、はっきりとした共通点があります。それは、技術力よりも「人当たりの良さ」です。
独立して長く続けている人は、みんな人当たりがよく、よく人と飲みに行くような、人付き合いを大切にするタイプが多い印象です。考えてみれば当然で、仕事の多くが知り合いからの紹介や仲間内の関係で回っている以上、「この人にまた頼みたい」「この人に仕事を回したい」と思われる人柄が、そのまま仕事の量につながるからです。
技術はもちろん大前提として必要ですが、技術だけあっても、人付き合いが苦手で人脈が広がらなければ、仕事の確保に苦労します。逆に、人当たりが良くて信頼される人のところには、自然と仕事が集まってきます。独立を考えるなら、技術を磨くのと同じくらい、人とのつながりを大切にすることが、実は成功の鍵だと感じています。
私の知り合いで独立してうまくやっている人たちを思い浮かべると、本当にみんな人当たりが良く、よく人と飲みに行くような、人付き合いを大切にするタイプばかりです。これは偶然ではないと思います。仕事の多くが紹介や仲間内のつながりで回っている以上、「またこの人に頼みたい」「この人になら仕事を回したい」と思ってもらえる人柄が、そのまま仕事の量に直結するからです。技術が高くても、人付き合いが苦手だと、なかなか仕事の輪が広がっていかない。逆に、人に好かれる人のところには、自然と仕事が集まってくる。近くで見ていて、そう強く感じます。
収入のリアル
収入について、正直なところをお伝えします。ネット上では「独立すれば年収1000万」といった景気のいい話をよく見かけますが、実際は「その人の頑張り次第」というのが、近くで見ていての実感です。
エアコン工事には繁忙期(夏)と閑散期(冬)があり、繁忙期にしっかり稼ぐ人は多いです。ただ、閑散期にどうするかで差が出ます。閑散期でもきちんと稼いでいる人もいて、それはやはり営業次第。仕事を切らさないよう動ける人は、年間を通して安定した収入を得ています。逆に、繁忙期しか稼げない人は、年収も伸び悩みます。
また、忘れてはいけないのが経費です。材料費、ガソリン代、車の維持費、工具の更新など、独立すると様々な経費が自己負担になります。売上がそのまま手取りになるわけではない点は、現実として押さえておくべきです。
知り合いを見ていても、閑散期の過ごし方には差があります。冬場の閑散期でもしっかり稼いでいる人がいて、そういう人はやはり営業がうまく、仕事を切らさないように動いています。繁忙期に集中して稼ぐのはみんな同じですが、閑散期にどれだけ動けるかで、年間の収入がずいぶん変わってくる印象です。結局のところ、収入は「その人の頑張り次第」というのが、正直な実感です。
業務用エアコンという強み
最後に、収入を伸ばすうえでの一つの方向性をお伝えします。それは業務用エアコンに強くなることです。
業務用エアコンは、家庭用に比べて単価が高いのが確かです。しかも、施工費だけでなく、エアコン本体(機械)も一緒に販売できれば、その分の利益も乗ります。施工と機械の両方を扱えれば、1件あたりの利益は大きくなります。業務用は施工の難易度が高く、専門知識が必要なぶん、対応できる業者が少なく、競合が家庭用ほど多くありません。
もちろん、業務用は技術的なハードルが高いですが、そこを乗り越えれば、それが強みと差別化になります。どこまで稼げるかは、本当にその人の頑張りと工夫次第だと感じます。
収入を伸ばしている知り合いを見ていると、業務用エアコンをうまく扱っている人が多いです。業務用は単価が高いのに加えて、施工費だけでなくエアコン本体(機械)も一緒に販売できれば、その分の利益も乗せられます。施工と機械の両方で稼げるので、1件あたりの利益が大きくなるのです。もちろん業務用は技術的な難しさもありますが、そこに対応できれば、それが大きな強みになります。本当に、どこまで稼げるかはその人の頑張りと工夫次第だと感じます。
まとめ
エアコン・空調設備での独立について、業界の中から見たリアルをお伝えしました。
- 第二種電気工事士は実質必須。業務用なら冷媒の資格も。電気工事業の登録も必要
- 初期費用は工具・材料・車で、一例として200万円ほどという話も
- 一番の課題は仕事の確保。紹介・仲間内・営業で回している
- 成功する人の共通点は、技術より「人当たりの良さ」
- 収入は「その人の頑張り次第」。閑散期をどう乗り切るかで差が出る
- 業務用に強くなると、単価・利益の面で有利
独立は、技術さえあればうまくいくものではありません。仕事を取る力、人とのつながり、そして自己管理——これらすべてが必要です。ただ、それらを備えた人にとっては、努力がそのまま収入と自由につながる、やりがいのある道でもあります。独立を考えている方は、技術を磨きながら、人脈と営業力も一緒に育てていくことをおすすめします。
【運営者からのお知らせ】
独立すると、拾い出しや見積もりの下準備も自分でこなすことになります。その手間を減らすために、拾い出しツール「Hiroi」を開発しました。図面から配管・ダクト長を自動計算し、拾い表を出力できます。よければ使ってみてください。
